予防接種をしている百日咳・実は大きくなってから罹ることがあります

子育て

春になり、インフルエンザなどの流行もおさまってきました。
そんな中、我が家の子供たち、ある日からずっと咳をし続けて
実は百日咳に罹っていることが判明したのです。

百日咳ってどんな病気?

そもそも、百日咳とはどんな病気なのでしょう?
その名の通り、百日余りも咳が出続ける病気です。
百日咳は菌によって感染します。
小さい子供では、特有の咳発作が出るのが特徴で、
乳幼児などではこの病気によって命を落とす子供もいる、
国の指定の感染症の一つでもあります。

 

さて、百日咳にかかった、我が家の子供たちの年齢は
14歳と12歳です。
子育て中の人なら、この病名を聞いてピンとくるものが
あるかもしれませんね。
百日咳は、実は予防接種をしているはずの病気なのです。

三種混合ワクチン

三種混合ワクチン、という名前には聞き覚えがあると思います。
最近ではポリオを含めた四種混合、というワクチンもあるそうですが、
3種類の病気の予防接種です。
これは、ジフテリア・破傷風・百日咳の混合ワクチンです。
1歳を超えると接種が始まり、1期では追加を合わせて合計4回
ワクチンを接種します。
我が家の子供たちも、もちろん接種をしていますので、
百日咳にはかからないもの、だと思い込んでいたのです。

ところで、この混合ワクチンは、
11歳になると、2期の追加接種があります。
小学校6年生になる年に受ける予防接種ですが、
このワクチンは「二種混合ワクチン」というものになります。
この二種とは、ジフテリアと破傷風
つまり、百日咳のワクチンは含まれていないのです。

そして、百日咳のワクチンの有効期間なのですが、
実は一生の免疫がつくわけではないのだそうです。
つまり、予防接種をしているから、絶対に罹らない、
というわけではない
ということです。
そして、一度罹ったからといって、生涯にわたる免疫
獲得できるわけではないのです。

百日咳かどうかの診断

病院によって診断方法は異なるようですが、
一般的には、百日咳、という診断がつくまでに
長い時間がかかることが多いです。

14歳の子供がかかった内科では、血液検査をして
百日咳の抗体の値を調べました。
咳が長引いていたのと、周りで百日咳が流行している、
という話があったことを伝えたので、
最初の受診から5日後に血液検査、
その1週間後に1度目の検査結果が出て、
さらに3週後にもう一度血液検査。
1度目と2度目の抗体の値を比べ、2度目が明らかに
数値が上がっていたことから、百日咳と診断されました。

12歳の子供は小児科にかかっていましたので、
そちらではやはり2度目の受診で血液検査
鼻の中の粘液を取る検査をしました。
その1週間後に、鼻の粘液から取ったものから
百日咳の菌がある、と診断。
さらに、血液検査では白血球の値が上昇していることから
百日咳、との診断をうけました。

と、どちらも診断までに早くても3週間くらいかかりました。

ところで、子供たちの友人が通う小児科では、
3日程度で百日咳の診断がついていました。
インフルエンザのように、その場で迅速な診断ができる方法は
まだ確立されていないようですが、
医療機関によっては3日程度で判断できる検査キット
もっているところがあるそうです。
受診する前に聞いてみるのもよいかもしれません。

百日咳の症状

百日咳は、乳幼児がかかると命にかかわることがある
大変重大な病気です。
国立感染症研究所のHPによると、
1.カタル期では、1週間程度の潜伏期間のあと、
通常の風邪のような症状が出て、
2.痙咳期では、特徴のある痙攣性の咳が2~3週間持続
3.回復期で、激しい発作は次第におさまるが、忘れたころに
発作のような咳が2~3週間程度で続ける、ということで、
本当にウソでもなく百日も咳が続くような病気ということなのです。

ところが、これが大人や年長児になると、
痙咳期の激しい発作のような咳はあまり見られなくなるのだそう。
我が家の子供たちも、ひどい発作とまではいかず、
とにかく取れないしつこい咳、という状態でした。
ただの風邪の、咳のしつこいもの、という感じで
周りで百日咳が流行している、と言われなければ
そんな検査すらしてもらわなかったかもしれないくらいです。
つまり、知らず知らずのうちに、
菌をばらまいてしまう可能性が高い病気なのです。

学校など出席停止の期間

百日咳は診断までに長い期間がかかることは前にも書いた通りです。
咳以外は、目立った症状が出ないことが多い百日咳。
我が家でも、若干の微熱や、咳に伴う頭痛がありましたが、
それ以外はほぼ元気な状態でした。
では、学校はどうしたらよいのでしょうか。
受診した際に確認をしてみたところ、
診断がつくまでは普通通りに行ってよい、という答えでした。

ということで、マスクを着用し、
いつも通りに学校に通わせましたが、
その間にもどんどん感染者が増えていきました。
感染は、痙咳期に多くみられるようです。
ただ、その期間に、百日咳と診断がつくのはまれで、
あちこちに飛び火してしまうのですね。

我が家の子供たちは、百日咳の疑いがある、
という話になったときに、抗生剤が処方されました。
クラリスクラリスロマイシンという抗生剤でしたが、
これを5日程度飲むことで、菌が消えるのだそうです。
国立感染症研究所のHPにも、
出席停止期間は、特有の咳発作がきえるまでか、
抗生剤を5日服用するまで、と記載されています。
疑わしいときには、かかりつけ医に申し出て、
早めに抗生剤を処方してもらうのもよいかもしれません。

百日咳の予防

乳幼児がかかると大変な病気の百日咳。
ただし、適切な予防接種をしていれば、
一番危ない時期には十分防ぐことができる病気でもあります。
まずは予防接種をきちんとすることが大事ですね。

そして、咳の発作ですが、
小さい子供ではないから、と油断はできないようです。
実際、我が家の子供の友人は、
すでに15歳になっていますが、いまだに発作のような咳が
おさまりきらず、ひどいときには嘔吐を伴うそうです。
り患してから1か月は経っていますが、まだまだ運動も
できていないという話です。

予防接種のほかにも、マスクなどの咳エチケット
感染を防ぐこともできます。
咳が出たら、どんなに軽い風邪のようでも
マスクは必ずしましょう

そして、それ以上感染を増やさないためにも、
早めの受診と、医師の指示にきちんと従うことが大事ですね。