フリクションペンが消えた!インクが消える仕組みと復活の方法

暮らし

最近、フリクションペンが流行していますね。
一見ボールペンのように書けるのですが、間違えた時にはこすって消すことができるので便利なアイテムの一つです。
このフリクションペン、ある一定の状況下に置いておくと消えてしまうのをご存知ですか?

フリクションペンが消える仕組み

実は私、フリクションペンで書かれた大事な書類をある条件下でパーにした経験があります。
それは、暑い日に車の中で半日放置したこと。
見事に真っ白な紙に戻っていて、血の気が引きました。
フリクションペンのインクは、ペンについたラバーの消しゴムでこすると消えますよね。
これは、摩擦熱を使って消しているのです。
フリクションインクは、一つのマイクロカプセルの中に色の素になる染料、それを発色させるための顕色剤変色温度調整剤、というものが含まれているのだそうです。
この成分によって、普段の状態ではインクの色が発色し、摩擦熱を加えるとインクの色が透明になる、という仕組みを開発したのがフリクションインクです。

消えたインク色を復活させるには

さて、インクが消えた私の大事な書類。
炎天下の車の中に放置した時に、気温が上がったことで消えてしまいました。
摩擦熱を起こして消すのと同じだけの温度に、車のなかの気温が上がった、ということです。
具体的にフリクションペンのインクが消える温度ですが、65度くらいだそうです。
つまり、このくらいの高温にさらされると、こすらなくても消えてしまう、ということ。
炎天下の車の中だけでなく、ドライヤーの熱などをあてても、インクが透明になってしまいます。
ただ、この状態は、インクが透明に変色してしまっただけなので、実は復活することができるんです。
それが、マイナス10度以下の環境に置くこと。
完全にインク色を復活させるにはマイナス20度の環境が必要なのだそうですが、家庭用の冷凍庫でも十分に復活させることができます

まずは、書類が濡れてしまわないように、ビニール袋やクリアフォルダーなどに入れます。
その状態の書類を、一晩冷凍するだけ
赤い色などは少し発色が薄くなりますが、十分見られる程度には復活することができます。
長い時間入れてみたりもしましたが、時間よりも温度が大切なようです。
家庭用の冷凍庫の温度はマイナス18度だそうで、完全に復活させるマイナス20度には少し足りませんが大丈夫でした。

フリクションペンは公的な書類には使えない

ところで、公文書を書くときには、フリクションペンは使えないことになっています。
それは、今まで書いてきたように、インクを消したり、復活させたりすることができることから、文書の改ざんが容易であるからです。
公的に申請したりする書類などには、消せるタイプのフリクションペンを使わないようにしましょう。
履歴書などもやめたほうがよいと思います。
フリクションペンで書かれた履歴書は、見る人が見るとわかる、とも言われているそうです。
仕事などに使う時にも、TPOを考えたほうがよいですね。
正式な文書には通常の油性ボールペンを使い、アイディアなどをメモするときにはフリクションペンを使う、などの使い分けが必要です。

私がよく使うのは、スケジュール帳の書き込みです。
子供ごとに色を変えて、手帳に予定を書き込んでいくのですが、予定が流動的なことが多く、その都度書き直しをしていると大変なことになってしまいます。
そこで、フリクションペンを活用しています。
また、最近ではフリクションの蛍光マーカーペンが販売されています。
こういったもので、子供たちは教科書や資料などに線を引き、覚えたところからマーカーを消したり、といった勉強法も試しているようです。
ただし、鉛筆書きしたところにフリクションマーカーを引くと、消すときに摩擦で鉛筆部分が黒く汚くなりますので注意が必要です。
基本的には、油性ペンで書いたものや、コピーや印刷物に使うのがベストですね。

便利なフリクションペンですが、うっかりすると消えてしまいます。
注意して使いましょうね!