梅仕事のシーズン。自家製の梅干しを漬けている人も多いですよね。
自分で漬けると、塩分を調整したり、梅の種類にこだわってみたり
自分なりの梅干しが作れるのが魅力です。
梅干しには殺菌作用があって、お弁当にも便利な食材ですが、
実はカビが生えることを知っていますか?
カビが生えたらもう食べられないの?
いいえ、そんなことありません。手当てすれば復活できますよ!
梅干しにカビが生える理由
梅を塩漬けした時に、油断すると白いものが浮いてきた…!
それは間違いなく、白カビです。
殺菌作用があるはずの梅干しにカビ、なんてびっくりするかもしれませんが
実は梅干しにはカビが生えることがあるんです。
その原因の一番大きなものとしては、
・減塩で梅を塩漬けしたため、梅酢が上がらない
・梅が思ったよりも熟していなかった
・梅に傷がついていた
・梅を漬ける容器の消毒が足りない、または水分がふき取り切れていない
などが考えられます。
こういったことに気をつければ、カビは防げるのですが、
もう生えてしまったカビは手当てするしかありません。
塩漬け段階での白カビの手当て
塩漬けをしているときにカビが生えてしまったら、次のような手当てをしましょう。
まず、酸に強いステンレス製のスプーンや玉じゃくしをつかって、
カビを散らさないように静かにすくい取ります。
表面のカビを取り除いた後、梅酢が濁っていなければカビを取り除くだけで大丈夫。
梅にカビがついてしまっていたら、ボウルにホワイトリカーを入れ、
その中でふり洗いしたあと、清潔な乾いたふきんなどでよく拭きます。
梅酢が濁っていた時には、残念ですがもう一度改めて塩漬けしましょう。
容器や押しぶた、重しはよく洗って乾かし、消毒をします。
最初に漬けた時の塩分が残っているので、改めて漬ける時には塩を1割弱少なくし、
ホワイトリカーなどの焼酎を多めに使ってください。
あとは梅酢の状態をこまめに点検してくださいね。
梅酢が濁っていて、塩漬けをし直しても梅酢が上がらない時には、
市販の梅酢を購入して入れたり、梅干しを漬けている人から分けてもらうしか
ありません。
梅の一部にカビがついてしまったときには、梅酢の状態を確認してください。
濁っているときには上と同じ手当てを。
梅酢が澄んでいるときには、かびた梅だけを静かに取り出しましょう。
お湯や焼酎でふり洗いして、皮が破れるようならその梅はあきらめて。
カビだけがきれいに落ちたものはざるに広げて半日ほど天日干しをして、
表面が乾いたら元の容器に戻します。
赤じそを入れてからカビが生えた時
赤じそを入れてからも油断ができません。
カビが少ないときには、散らさないように静かにすくい取りましょう。
その後、前面に塩を少々ふって、梅の表面と容器の内側に焼酎を吹き付けます。
押しぶたと重しはよく洗い、乾かしてから乗せましょう。
大量にカビが発生してしまったときには、赤じそを多めに取り除いて捨てます。
梅は引き上げて、ボウルに入れた焼酎やホワイトリカーでふり洗いしましょう。
清潔なふきんで梅を拭き、保存ビンにうつします。
赤梅酢はふきんでこしてから保存ビンに注ぎ、土用干しまでは冷蔵庫で
保管するのが安全です。
どの場合でも、焼酎に通した梅は風味が落ちてしまいがちです。
危ないな、と思ったら、なるべく早めに手当てできるようにするのがよいですね。
カビないための予防策
では、そもそもカビを発生させないようにするためにはどうしたらよいのでしょう?
まずは、完熟した梅を使うのが一番です。
カビが生える一番の原因は、梅酢のあがりが悪いこと。
それによって、空気に触れる梅が出てきてしまい、そこにカビがつきます。
梅はできるだけ完熟のものを購入しましょう。
青い梅を購入してきたときには、数日間、ざるなどにあけて、
追熟させるのが安心です。
漬ける時には、傷などがついた梅はもったいないのですが捨てます。
傷からカビが生えることが多いためです。
そして、梅酢をよく上げるためには、塩の振り方にも気を付けます。
塩は上に行けば行くほど、多くふるようにします。
容器の下に塩がたくさんあると、梅全体に塩が回りません。
塩が下にたまってしまい、梅酢があがらないときには、
底にたまった塩をもう一度よくからめましょう。
また、材料の割合も正確に測りましょう。
目分量で塩をふったりしてしまうと、失敗の原因になります。
重しの重さも正確に。
重しが軽すぎると、梅酢があがりません。
また、減塩梅干しもカビの一因になります。
減塩するときには、焼酎を使う、砂糖を入れる、などの工夫をしましょう。
塩だけをむやみに減らすと、梅酢があがらず失敗の原因になります。
減塩の梅干しを仕込むときには、ビンや瓶をつかうのではなく、
保存袋を使った少量漬けも考えてみてください。
ビニール袋を使った簡単梅干しはこちらも参考にしてみてくださいね。
せっかく漬けた自家製の梅干し。
カビが生えてもあきらめず、手当てをしてみてくださいね。
土用干しまであと少し。
毎日様子をみて可愛がってあげましょう。