耳がおかしい?…全く聞こえなくなるわけじゃなかった私の突発性難聴体験記

暮らし

突発性難聴、という病名は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
芸能人が発症して入院したり治療のため休養したり、という話も聞きますよね。
実は、私も去年末からこの「突発性難聴」にかかって治療を続けてきました。
突発性難聴といえば、片耳もしくは両耳が急に聞こえなくなる、というイメージですよね。
ところが私の場合は少し違った症状だったのです。
今回はそんな私の突発性難聴体験記です。

突発性難聴とは

突発性難聴とは、それまで耳になんの病気もなかった人が、原因も不明なまま耳が聞こえなくなる病気です。
突発的な発症が特徴で、ある日突然聞こえなくなる症状が出ます。
原因は未だわからないことが多く、有力な説としてはウィルス感染やストレスなどが関係しているのではないか、と言われていますがはっきりしたことはわかっていません。
治療は早く開始したほうが予後がよく、発症から7日以内がよい、と言われています。
また、聴力の回復は3分の1が元通りになり、3分の1は回復しても難聴が残り、3分の1は治らないとも言われているようです。
いずれにせよ、発症から1か月程度で聴力が固定されてしまうことが多く、早期発見と早期治療がカギとなる病気です。

私の突発性難聴の始まり

私の耳に異変が起きたのは2018年12月の末でした。
その1週間ほど前、用事で上越新幹線に乗車したのですが、トンネルの多い新幹線で、調子があまりよくなかった私は、耳の詰まりがひどくなかなか抜けないのを気にしていました。
その後、ふと気がつくとずっと左耳が詰まっている感覚が抜けなくなり、耳の中から「もーん」という鈍い音がしているような感覚になりました。
年末は忙しく、バタバタしていたのですが、めまいのような症状もありました。
もともと更年期に差し掛かっている年代でもあったので、めまいは更年期からくるものだろうと思い込み、横になればめまいも耳の症状も治まる気がしていたので特に病院を受診することもありませんでした。

ところが年が明けても症状は治まらず、耳鳴りの症状も出始めました。
これはおかしいのかもしれない、と年明けすぐに耳鼻科を受診すると、左耳の聞こえが低音域である250ヘルツと500ヘルツだけが聞こえが悪くなっていることがわかったのです。
健聴であれば、10dBから20dB程度で聞こえるところが、40dBまで落ちていました。
ここで突発性難聴と診断されました。

突発性難聴の治療

私の場合、聞こえの低下はさほど大きくなく、また全く聞こえない、などの症状がありませんでした。
むしろ会話などの日常生活にまったく支障がなかったため、難聴になっているという自覚がなかったくらいです。
私自身が症状を自覚したのが12月20日を過ぎていたのは覚えているのですが、正確な日にちは覚えておらず、発症から治療開始までの期間はギリギリ2週間というところです。
治療はステロイド内服薬の服薬、アデホスコーワとメチコバールの内服から始まりました。
最初はステロイドを少し強めに処方され、1週間様子を見ましたが改善が見られません。
次の1週間はステロイドを半量に抑えて内服しましたが、ほとんど聴力に変化はありませんでした。
ステロイドは2週間で内服をやめ、メニエール病の治療薬として使われるイソソルビドを内服し始めました。

治療開始から1か月

薬を飲み続けて1か月たっても、自覚症状と聴力に改善が見られませんでした。
ここで耳鼻科の先生から、脳神経について検査をしたほうがよいかもしれない、と提案されました。
突発性難聴以外にも、聴力が落ちる病気として、脳の腫瘍なども考えられるので確認したほうがよいのではないか、ということでした。
そこでMRIを撮り、脳神経全体や血管などもすべて検査してもらいました。
結果は異常なし
やはり病名は突発性難聴で間違いない、ということで服薬治療を続けることになりました。

本来であれば…

先に説明をしたとおり、突発性難聴は早期発見、早期治療がカギとなる病気です。
本来であれば、1か月程度で聴力の回復がみられるか、もしくは低下した状態で固定されてしまうことが多く、すでにこの時点で治療から1か月超えてしまった私の耳は、もしかすると回復しないかもしれない、と思い始めていました。
当時は次男の高校受験、三男の習い事のフォローで忙しく、いろいろなストレスも溜まっていました。

このストレスがなくなったら回復するのかもしれない、と思ったりもしていたのですが、次男の受験が終わっても症状は変わらないばかりか、耳鳴りが気になり始めていました
聴力検査をしてもらうときにも、意識を向ければ向けるほど、耳鳴りに聞こえの邪魔をされている感覚です。

治療から3か月

このような感じで、2か月間全く聴力に変化がなかった私ですが、3月の中旬頃になって急に耳閉感がなくなりました。
あれだけ詰まっている感じがしたのがなくなり、「もーん」という感覚と耳鳴りがしていたのがすっきりしたのです。
耳鼻科を受診すると、明らかに落ちていた低音域の聴力が上がっていました
ただ、まだ元通りとはいきませんが、ほぼ健聴の域まで聞こえるようになりました。
2019年4月現在ですが、内服はまだ続けています。
調子がいいので、自分が突発性難聴であることを忘れ、服薬を忘れてしまいそうになるくらいです。

聞こえない、だけが症状ではない

私の突発性難聴は、「聞こえない」から始まりませんでした
むしろ耳閉感、耳鳴り、めまいというのが主症状で、自分が聞こえていないという自覚すらありませんでした。
それによって治療が遅れてしまったことが今でも悔やまれます。
ただ、幸いなことに私はほぼ症状がない状態まで回復することができました。
治療のタイムリミットである2週間もギリギリだったのだと思います。
私自身、仕事として補聴器の販売をしていて、難聴については理解していたはずでしたが、こういった症状が出るのだというのも初めて知りました。
先入観を持たずに、不調があればすぐに受診する、というのも大切ですね。

いかがでしたか?
突発性難聴は誰にでも起こりうる病気の一つです。
私のような症状で始まるケースもあるかもしれません。
ぜひ参考にしていただければと思います。

難聴になったら補聴器のことも考えてみてはいかがでしょうか?
ただし、突発性難聴になったばかりの場合は装用できませんのでご注意を。

補聴器は両耳装用がいい!耳の聞こえが悪くなったと思ったら
人はだんだん年を重ねるにつれて、 体のあちこちに、様々な老化現象が現れてきます。 その中の一つが、聴力の低下ですね。 視力が落ちたら、メガネを装用するように、 聴力が落ちてきたら、補聴器の装用を考えたいところです。 補聴器販売にか...