食品用のアルコール製剤の使い方とは?手指の消毒に使っても大丈夫なの?

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新型コロナウイルス対策として、予防の有効手段の一つがアルコールでの手指などの消毒があげられます。
しかし、需要が高まっているためになかなか消毒用のアルコール(エタノール)が入手できない状態になっていますよね。
先日、スーパーでたまたまアルコールスプレーを見かけました。
それは「食品や食器の除菌」に使われる、食品添加物製剤と書かれた除菌アルコールです。
この除菌アルコールはどのように使ったらよいのでしょうか?

除菌アルコール製剤ってどんなもの?

私が見かけて購入してきた除菌アルコールには、「様々な食品の除菌・保存に使用できます」と書かれてありました。
そもそもアルコール製剤とはどういうものなのでしょうか?
アルコール製剤というのは、エタノールを主な成分としています。
ここに有機酸などの添加物を加えて作られたものをアルコール製剤と呼ぶそうです。
エタノールは単に濃度が高ければ除菌ができる、ということではないそうで、除菌効果がもっとも高い濃度は70%程度といわれています。
アルコール製剤は、エタノールにその他の成分を配合することにより、濃度がやや低くても70%の濃度のものと同じくらいの除菌力が得られるように工夫して製造されているのです。
ちなみに私が購入したアルコール製剤の成分は以下の通り。

・エタノール   71.260%
・乳酸ナトリウム 0.0025%
・精製水     28.715%

乳酸ナトリウムは抗菌作用と保湿作用があり、日持ちの向上や風味の向上を目的に幅広い食品に使用されている食品添加物だそうです。

食品添加物製剤のアルコールの特徴

食品衛生を目的として作られたアルコールは次のような特徴があります。

1.安全性

食品衛生の分野で使用することを目的にしたアルコールは、食品用アルコールに添加物などを加えて作られています。
このため、安全性に優れています。
また、揮発性が高く残留が少ないこと、無色透明で食品の風味への影響が少ないことから幅広く利用されています。

2.除菌力

アルコールを利用しているので、除菌力に優れています
ウイルスや細菌などを除菌することで安全性が高まります。

3.簡単に使える

使用後にすすぐ必要がないので、誰でも簡単に使うことができます。
スプレーで使用すれば広範囲を効率的に除菌できますし、すすぎや拭き取りも不要です。

使用上の注意点

アルコールなので、引火性があります。
火気に近づけないように注意が必要です。
また、使用するときには十分な換気をします。

水分が残っているとアルコールが薄まるので除菌の効果が薄れます。
水気はしっかりとふき取ってから使用しましょう。

手指にかかっても大丈夫?

食品添加物製剤のアルコール製剤は、基本的に食品にも使用することができる安全性の高いものです。
使用するときに手指にかかってしまっても問題はありません
食器や食卓などの除菌や、ドアノブ、家具に対しても使用できますが、アルコールがついても問題のない素材に対して使うことが大切ですね。

消毒用アルコールとの違い

手指の消毒用に使われる消毒用アルコールの成分を確認すると、「エタノール76.9〜81.4 vol%」と表記されています。
アルコール製剤と違うところは、乳酸ナトリウムなどの添加物が含まれていないことです。
「消毒用エタノールIP」と書かれているものは、イソプロピルアルコールが添加されているのだそう。
この二つの呼び名の違いは、酒税法の関係だそうです。
アルコール製剤には食品添加物の乳酸ナトリウムなどが添加されている一方、消毒用はアルコール以外の添加物がほとんどないことがわかります。

食品や食器の除菌用に使われるアルコール製剤は、その性質上から手指にかかっても安全性には全く問題がありませんが、手指の消毒は用途外であることから、手指用に使用することは推奨されていません。
できれば法令で定められている指定医薬部外品のアルコールジェルや、第3類医薬品に指定されている消毒用エタノールを使用するのがよさそうです。

いかがでしたか?
アルコール製剤は用途に合わせて選択し、使いたいものです。
ただ、まだまだ状況は予断を許さず、市場の供給も間に合っていないようです。
アルコールの消毒だけに頼らず、しっかりと手洗いやうがいをしていくのがよさそうですね。