歩道を歩いていると自転車のベルを鳴らされた…これって違法?案外知らない自転車ルール

暮らし

つい先日のことです。
私は商店街に職場があるのですが、そこにはアーケードと歩道があります。
その歩道は確か自転車通行不可のはずなのですが、歩いていると後ろから自転車のベルがチリンチリンと鳴りました。
振り返るとおじいさんが歩道を自転車で走行していて、どうやら私のことを邪魔だと思った様子。
その時はスッと避けてやりすごしたのですが、どうも納得がいきません。
歩道で自転車のベルってどうなんでしょうか?
気になったので調べてみました。

自転車の走行できる歩道とそうでない歩道がある

まず、自転車の歩道走行についてですが、できるところとできないところがあるのを知っていますか?
基本的に「歩道」というくらいですので、ここを自転車で走ることは違法になります。
自転車はあくまで「車」の扱いですから、車道を通行しないといけないのですね。
でも例外があります。

・歩道に「自転車通行可」の道路標識や、道路標示がある場合。
・歩道に「普通自転車通行指定部分」の道路標示がある場合。
・運転者が13歳未満又は70歳以上、または身体の障害を有する者である場合。
・歩道を通行することが「やむを得ない」と認められる場合

国道などの大きな道路では、広い歩道が設置されていて、「自転車通行可」の標識があることが多いですよね。

こういったところでは歩道走行が認められるわけです。

「自転車通行不可」の歩道でも自転車は走ってもよい?

では、私が歩道を歩いていた時のことを振り返ってみます。
この歩道は「自転車通行可」の標識がありませんでした
つまり、本来であれば自転車で走ってはいけない歩道になります。
しかし先ほどの例外を見てみます。
3番目の項目に「運転者が13歳未満または70歳以上」という条件があります。
子供と高齢者には歩道の通行が例外的に認められているのですね。

私にベルを鳴らしてきた自転車の運転者はあきらかに「おじいさん」でしたので、歩道の走行は違反ではない、ということになります。

自転車のベルを鳴らす場面とは?

自転車についているベルですが、法律では「警音器」というのだそうです。
自動車についているクラクションと同じと考えてよいそうです。
つまり鳴らしてもよい場面、というのは車と同じように考えます。
道路交通法第54条の第2項には

「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りではない」

という規定があります。
たとえ自転車の進行方向に歩行者がふさぐように歩いていたとしても、それは「危険を防止するためやむを得ない場合」には該当しないと考えられます。
また第63条の4では、たとえ自転車が歩道を走行することが許される場合であっても、自転車は歩行者の通行を妨げてはならないこととなっていて、逆に歩行者の邪魔になる場合は一時停止するように定められています。
このことから、歩道を走行が許されている自転車から歩行者に対してベルを鳴らす行為は「法律違反」にあたる可能性がある、ということなのです。

「気づきベル」は違法の可能性

ちなみに、私が自転車のベルについて調べていた時に、「気づきベル」と呼ばれる商品が検索にヒットしてきました。
これは自転車走行中に小さな音でベルが鳴り続ける、という商品です。
自転車で走行していることを知らせるために小さな音で鳴り続けるというタイプのベルで、歩行者や車に気づいてもらいやすくするため、また見通しの悪い道路で自転車が走っていることを知らせるため、などの意味合いで作られていたものがあるようです。

高齢者によく見かけますが、四六時中ベルを鳴らし続けて走行する自転車がいますよね。
これを手動ではなく自動で、というもののようですが、道路交通法に照らし合わせるとこれは違反という可能性が出てきます。
自動でも、手動でも、気づいてもらうためのベルを鳴らすというのは気をつけなければならない行為であることがあまり認識されていないのですね。
道路交通法に違反すれば、自転車でも罰金や懲役刑などが課されることがあるので気をつけなければいけませんね。

いかがでしたか?
自転車はあくまでも車両であり、道路交通法が適用されます。
そして、どんなときでも「歩行者が優先」であることを忘れてはいけないということです。
ただし、危険が差し迫っているときには躊躇なくベルを鳴らして知らせるのもお忘れなく。