夏休みに入りましたね。
これから、家族でお出かけを計画している人も多いと思います。
我が家では先日、世界遺産である日光東照宮に行ってきました。
参詣するときに知っておくと役に立つ我が家の体験談を紹介します。
日光東照宮とは
世界遺産「日光の社寺」は1999年に文化遺産として登録された、日光東照宮、二荒山神社、日光山輪王寺の2社1寺から構成される世界遺産です。
この中の一つである、日光東照宮。
ご存知の方も多いと思いますが、ここでは徳川家康公を神様としてお祭りしている神社です。
広大な敷地の中に、数々の国宝、有名な「三猿」や「眠り猫」、そして家康公の墓所である奥宮などがある、見所満載の神社です。
全て歩いて見学することになりますが、ぐるっと一回りするだけでも1時間程度の時間がかかります。
陽明門は2017年、平成の大修理を終え、44年ぶりに本来の輝きを復活したばかり。
国内外から年間約2500万人が訪れる、パワースポットなのです。
拝観券を購入しよう
日光東照宮をお参りするためには拝観料が必要です。
まずは入り口で拝観券を購入しましょう。
この鳥居をくぐった先に拝観券の売り場があります。
大人(高校生も含む)は1300円、小中学生は450円です。
また、日光東照宮の入り口付近にある宝物館を訪れる予定がある場合には、セット割引で大人2100円、小中学生は770円です。
宝物館の入館券が大人1000円、小中学生400円なので、それぞれ購入するよりもお得になっています。
鳥居の先には、五重塔も見えてきます。
この五重塔は見学料が別になります。
見学料は500円だそうですが、私たちは中まで入ってきませんでしたので、小中学生の料金設定は不明です。
さて、拝観券を買ったら早速中に入っていきましょう。
入り口で拝観券の左側をもぎってもらいます。
手元にはまだ薬師堂の拝観券がついている状態です。
あとからこの券が必要になるので、まだなくさないようにしましょう。
敷地内で結構この薬師堂の拝観券付きの拝観券が落ちていました。
落としている人がたくさんいるみたいです。気をつけましょうね。
表門をくぐって三猿へ
左右に睨みを聞かせ仁王像が立つ、表門をくぐるとすぐに神厩舎(しんきゅうしゃ)が見えてきます。
この長押の上に飾られているのが、有名な「三猿」です。
「見ざる、言わざる、聞かざる」で有名ですよね。
この三猿は、全部で8枚で完結するお話の中の2枚目にあたります。
1枚目は母と子。2枚目が「見ざる、言わざる、聞かざる」の幼少時代。
3枚目は少年時代。4枚目が青年時代。
5枚目は挫折を味わう場面。6枚目で恋をして、7枚目で結婚します。
そして8枚目で妊娠。
また1枚目のお話にもどる、といった具合です。
写真の中央が2枚目、有名な三猿です。
猿の一生を見たら、上神庫、回転灯籠などを眺めながら奥へと進んでいきましょう。
44年ぶりの輝き、陽明門
奥へと歩を進めていくと、目の前に見えてくるのは陽明門。
言わずと知れた、日光東照宮で最も有名で最も荘厳な構えの門です。
一日眺めても飽きないことから、「日暮らし門」とも呼ばれるのだとか。
この日はあいにくの曇り空で、時折雨も降るお天気でした。
お天気の良い日には、金色や白、色鮮やかな様々な彫刻などが光り輝いて見えます。
500を超える彫刻が施され、高さは11メートル。
江戸時代の工芸や装飾技術の粋が集められている国宝です。
目貫きの龍と龍馬や、唐獅子、中国の故事など様々な彫刻は本当に1日見ていても飽きないくらいです。
2017年3月に平成の大修理を終え、本来の輝きを取り戻しています。
唐門から奥宮へ
さて、ここまでの道のりは、鳥居前の階段に始まり、さまざまなところで段差が多くあり、足元に十分注意しながら歩く必要がありました。
陽明門をくぐって右手に進んでいくと、奥宮に続く階段の手前に東廻廊が見えてきます。
この東廻廊で有名なのが、眠り猫。
ガイドブックなどでは大きな写真で載っている眠り猫ですが、実際にたどり着いてみると思った以上に小さな彫刻です。
東照宮の中では唯一の猫の彫刻で、名匠・左甚五郎の手によって作られた、と言われている人気者です。
ちょうど門の上で寝ている姿なので、写真を撮るときには通路から少し避けて他の人の迷惑にならないようにしましょう。
私も写真を撮ってきたのですが、慌ててシャッターを切ったのか、ピンボケになってしまいました。
奥宮に続く石段は全部で207段。
杉に囲まれ、神秘的な雰囲気に包まれた石段を一歩ずつ上っていくことになります。
傾斜は結構きつく、石は濡れるとすべりやすくなります。
一歩一歩確実に進んでいきましょう。
登りきるまでに約10分ほどかかります。
石段の先に見えてくるのが奥宮、家康公の墓所です。
家康公の柩が納められている宝塔、黒漆で仕上げられた拝殿、鋳抜門で構成されています。
宝塔は建立以来、一度も開けられたことがないそうで、家康公の分骨されたお骨が納められているのだとか。
そのわきには、願い事が叶うといわれている叶杉があり、お参りすることができます。
帰り道も来た時と同じように石段を下っていきます。
段差がかなり大きいので、気をつけて下っていきましょう。
本社で案内を聞く
奥宮を参拝したら、いよいよ本社です。
拝殿、神霊を祭る本殿、その2つを結ぶ石の間からなる権現造です。
この先は一度履き物を脱ぎ、あがっていくことになります。
さらに本殿は写真撮影や録音は禁止になっていますので注意が必要です。
本殿に行くと、巫女さんが本殿の案内をしてくれます。
由来や見どころなどを十分に説明してくれますので耳を澄まして聞きましょう。
お話の最後には、全員で二礼二拍一礼のお参りをします。
この本殿でしかいただけないお守りもありますのでチェックしてみましょう。
本地堂(薬師堂)の鳴龍
最後に本地堂(薬師堂)にお参りしましょう。
この時に、入り口で渡された拝観券をもう一度提示します。
薬師堂も入り口で履き物をぬいであがります。
実はこの薬師堂、ここまでの建物はすべて神社のものでしたが、神社の敷地内にあるお寺なのです。
世界遺産「日光の社寺」の構成遺産である、日光山輪王寺の管轄するお寺です。
ということで、こちらでは手を打つ、というのは仏さまに失礼にあたるので、静かに手を合わせてお参りをしましょう、とお坊様から案内があります。
この薬師堂の中も、撮影や録音が禁止になっています。
中に入ると、天井に大きな龍が描かれています。
これは狩野永真康信が書いた絵が焼失した後、堅山南風が復元したものです。
この龍の頭の下で拍子木を打つと、「キィーン」というような甲高い音が鳴り響きます。
これは余韻といって、聞いた人にはご利益があるのだそうです。
中ではお坊様がいろいろな場所で拍子木を打ち、鳴きが聞こえるところ、聞こえないところを実演してくださいます。
昔はこの龍の下で手を打ったりしていたそうですが、今は仏さまに失礼にあたるので禁止されているのだそうです。
また、中央には薬師如来像、そのわきを固めるように十二神将がならんでいます。
この十二神将はそれぞれ十二支をつかさどっていて、右から左に子、丑、寅…と並んでいます。
説明が終わると、それぞれ自分の神様の前でお参りしましょう、と案内されますので、静かに手を合わせます。
日光東照宮のお土産
日光東照宮では様々なお守りやおみくじが用意されています。
中でも私たちが一番気に入ったお守りがこちら。
三猿が連なったお守りです。
ストラップになっていて、身体健康御守になっています。
一体300円と、お値段も手ごろなので、子供のお友達のお土産にたくさんいただいてきました。
このほかにも、かわいいイラストのおみくじや、眠り猫のキーホルダー型お守り、白檀の香りが続く限りご利益が続くというお守りなど、いろいろな種類が用意されています。
三猿キーホルダー型は、神厩舎近くの内番所で、白檀のお守りは本殿で、など、その場所にしか置かれていないお守りがたくさんありますので、いろいろな場所でチェックしてみてくださいね。
日光東照宮を訪れる時の注意点
小さな子供連れ、またお年寄りと一緒の参詣の際は、階段などの段差に十分気をつける必要があります。
昔の造りのままで建っている建物ばかりなので、今のようにバリアフリーにはなっていません。
段差はいたるところにある、と思って足元を見ながら歩いてください。
足が不自由な方は、階段が長く続く奥宮まで行くのはちょっと厳しいかもしれません。
片道10分程度、段差と角度がきつい階段を上り下りしなければならないことを考えて行かれたほうがよいと思います。
また、足元がすべりやすくなっているので、ヒールやサンダルなどもあまり向いていないと思います。
歩きやすい靴で行くのがベストでしょう。
私がお参りに行った日は、時折雨がザっと降るお天気でした。
石段は濡れると大変すべりやすいので、慌てず、走らず(特に子供はすぐ走り出してしまいます)、足元をよく見て歩きましょう。
また、広大な敷地内を巡ります。時間には十分余裕を持って行きましょう。
車で訪れる時は、東照宮大駐車場が一番近くにあります。
時間制ではなく、1回600円で利用することができるので、周辺の散策などにも便利ですが、時間帯によっては混雑していることもあると思います。
私たちが訪れた、7月の日曜日午後2時くらいでは、駐車場に入るための列が若干できていました。
遠くても散策を楽しむつもりで歩くことができれば、無料の公共駐車場なども付近にありますので、チェックしてみるのもいいかもしれません。
また、中では東照宮の説明を聞くことができる音声ガイドがレンタルできるようになっています。
1台500円と預かり金(返却時に返金されます)500円で借りることができるので、ガイドを聞きながら巡ってみるのも楽しいと思います。
世界遺産「日光の社寺」の一つである、日光東照宮。
都心からも近いところにありますので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?