新潟県の郷土料理の一つに、「たいな(体菜)」で作る「煮菜(にな)」というものがあります。
たいな、というのは野沢菜のような大きな葉菜で、塩漬けにして保存食として冬の間食べられているものです。
今回はその「たいな」でつくる「煮菜」について紹介します。
たいな(体菜)ってどんなもの?
体菜は新潟県長岡市で主に作られ、長岡野菜として地域で親しまれている野菜です。
一般的には「たいさい」と読むことが多いようですが、長岡では「たいな」と呼びます。
もともとは明治初期に中国から入ってきた長梗白菜で、これが雪国で品種改良され、冬の漬物として使われるようになった、と言われています。
冬の間、雪のために野菜が栽培できない越後では貴重な保存食として重宝されてきました。
塩はかなりきつめに振り、塩漬けをします。
これを塩出しして使うのです。
「煮菜(にな)」はどんな料理?
「煮菜」は、その名の通り菜っ葉を煮て作る料理です。
新潟ではごく一般的に作られている家庭料理の一つで、この料理をする際には必ず塩漬けにした「漬け菜」を使うのが特徴です。
この体菜の漬け菜を塩出しし、醤油やみりんなどで煮たものが煮菜です。
体菜以外にも、ニンジンや油揚げ、打ち豆と呼ばれる大豆を乾燥させたものをつぶしたものを淹れたりすることもあります。
我が家の煮菜の作り方
では、我が家での作り方を紹介します。
まずは体菜の塩出しから。
体菜は塩漬けの状態のものを水洗いせずに鍋に入れます。
ここに水を張り、火にかけて沸騰するまで加熱します。
沸騰したら火を止め、冷めるまでそのまま待ちます。
これで塩出しができますが、あとから味をつけるので、適度な塩味になるまで水を取り替えましょう。
塩出しが終わった体菜は食べやすい大きさに切りそろえます。
我が家ではここに短冊切りにしたニンジン、つきこんにゃく、油揚げ、打ち豆を加えます。
煮干しの頭とワタを取ったものを一緒に入れて、新しい水をひたひたになるように加えたら火にかけます。
ニンジンがやわらかくなったら、醤油、味噌少々、みりんで味付けして完成です。
もともと塩気のある体菜を煮るので、調味料は入れすぎないのがコツ。
大きな鍋にたくさん作って数日間食べるのが我が家流です。
煮菜のバリエーション
体菜で作るのが一般的な煮菜ですが、ほかの菜っ葉でも作ることができます。
秋口に収穫した大根菜を塩漬けにしたものや、野沢菜などでもおいしく作ることができます。
どの場合も、塩出しをした時の塩加減に合わせて調味料を加減しましょう。
いかがでしたか?
新潟では冬の味覚として楽しまれる煮菜。
体菜の塩漬けが手に入らなくても、大根菜や野沢菜で作ることができるのでぜひ試してみてくださいね。
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