突発性難聴、と聞くと「急に音が聞こえなくなる」というイメージだと思います。
実際、私も補聴器販売にかかわる仕事をしているのでこの病気については知識として知っている気持でいました。
しかし3年前の冬、そしてこの冬の2度にわたって私自身が体験した突発性難聴は実はそうではありませんでした。
今回は私が体験した突発性難聴についてまとめます。
突発性難聴はどんな病気?
厚生労働省のe-ヘルスネットがまとめたところによると、突発性難聴とは
突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の疾患、と説明されています。
40代から60代にかけての働き盛りによく見られる病気で、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいこと言われているそうです。
突発性難聴は突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患で、音をうまく感じ取れない難聴のうち、原因がはっきりしないものの総称です。
難聴が起きる前後に、前後して、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースもあり、この症状で受診して突発性難聴と診断される人もいます。
放置しておくと難聴や頑固な耳鳴りが残ったり、聴力を失うこともあるため、早期の治療が大切と言われています。
3年前の異変について
3年前に突発性難聴になったときの記録はこちらから
突発性難聴といえば「音が聞こえなくなる」と思い込んでいた私ですが、耳がふさがれたような耳閉感も症状の一つということが分かった3年前。
この時は治療の目安となる1週間を超え、ギリギリ2週間くらいで受診と治療開始になったのですが、3か月ほどの治療でおよそ9割程度の回復が見られ治療を終了することになりました。
2022年秋に再び
異変が起きたのは2022年の10月末ころ。
この時ちょうど息子の学校問題で強いストレスがかかっていました。
そんなある朝、目覚めると左耳に膜がかかったような感覚がありました。
3年前の症状と全く同じ、数時間様子を見てみたのですが治る気配がありません。
突発性難聴は早期発見、早期治療が大切。
その日のうちに耳鼻科を受診すると、前回と同じように125Hz、250Hz、500Hzの低音域が極端に聴力低下していることがわかりました。
右が以前治療が終了したころの聴力、左が今回の聴力です。
青い線で記録された左耳の聴力が極端に落ちていることがわかります。
前回の治療では初めにステロイドの内服をしていましたが、メニエール病改善薬のほうが効果的だったこともあり、最初からメニエール病改善薬であるイソソルビドと代謝促進と血流をよくするアデホスコーワ、ビタミンB12製剤のメチコバールが処方されました。
イソソルビド内用液は激マズ
ところでこの治療に使われるメニエール病改善薬イソソルビド内用液ですが、激マズで知られています。
もともとは恐ろしく苦い薬なのだそうですが、それを飲みやすくするために甘味料が添加されており、これがめちゃめちゃ不自然で強烈な甘みなのです。
日本一まずい薬、と調べるとトップに検索されるほど激マズの薬で、どんなにおいしい食事をしても食後にこれを飲むと思うだけでげんなりするほど。
飲みにくいときには冷水で2倍に薄めたり、レモン果汁や氷を入れて飲んでもよいとのことなのですが、まずいことには変わりないというやっかいな薬です。
早期の治療は効果大
前回の教訓を生かし、気がついてすぐに受診と治療を開始したことが功を奏したのか、服薬から2日くらいでひどい耳閉感は取れた実感がありました。
2週間分の薬を飲み切って受診すると、経過は良好。
ただし聴力はまだ7割程度の回復だったのでイソソルビド内用液は継続することになりました。
さらに2週間後には聴力の低下は見られなかったためイソソルビドの内服量を減らしました。
1か月もすると耳閉感もめまいらしいものも感じなくなったので思い切ってイソソルビドの服薬をやめてアデホスコーワとメチコバールだけに減らしてもらいました。
イソソルビドをやめたら調子が悪い?
イソソルビド内用液の内服をやめて数日。
だいぶ調子がよくなっていると思っていた耳閉感が復活。
今考えてみるとこの時またやっかいな問題が浮上していて強いストレスを感じていたのかもしれないのですが、これはやばいと急きょ受診。
美味しくないし飲みたくないイソソルビド内用液ですが、結局当初の量をまた飲むことになりました。
薬をうっかり飲み忘れると復活する耳閉感がやっかいで、なかなか薬を卒業できそうにないのが悩みどころ。
ただ聴力検査ではさらに改善されてきているので、もうしばらく薬を飲み続けて少しずつイソソルビドの量を減らしていこうということになっています。
突発性難聴は音が聞こえなくなる、と思い込んでいた私ですが、聞こえに不自然なことがあれば疑うということがわかっていたため、前回より経過は順調です。
私は低音域の聞こえが悪いため膜がかかったような耳閉感になりましたが、人によっては高音域だけが聞こえにくくなったり、めまいや耳鳴りという症状に現れることもあるようです。
少しでもおかしいと思ったら早めに耳鼻科を受診して早期治療を始めるのが大切。
ぜひ私の症状も参考にしてみてくださいね。