手ごろな値段の集音器があればよく聞こえる?高額な補聴器との違いは?

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テレビや新聞などの広告で、1万円から2万円程度の「集音器」というのを見たことがありませんか?
高齢になってくると、耳が悪くなってテレビの音が大きくなったり、人の言葉が聞き取りにくくなってきます。
2万円くらいで聞こえるようになるなら、とつい集音器を買ってしまいがちなのですが、これだけでよく聞こえるようになるのでしょうか?

集音器はスピーカー

集音器の基本的な構造は、周りの音を集めて大きくする、というものです。
私たちの身の回りには、高い音から低い音、小さな音から大きな音と、様々な音があふれています。
こういった音をマイクで拾い、大きく聞こえるようにします。
言ってみればステレオやテレビのスピーカーと同じ感じ。
音量を上げれば、全部の音が大きくなり、下げれば全部の音が小さくなります。

人の聞こえは千差万別

耳の聞こえが悪い人でも、テレビの音量を一定量上げれば聞こえるようになるわけですから、集音器で周りの音を全部大きく聞こえるようにしたらいいような気がしますよね。
ところが、集音器を買った人の中には「あんまり効果がなかった」とがっかりされる人がかなりいるのです。
それはなぜかというと、人の聞こえは千差万別だから。
一般的な話として、耳が聞こえにくくなるのは加齢によるものが多いと言われています。
その場合、まず高い音が聞こえにくい、と感じることが多くなります。
玄関のチャイムや電子レンジの音、体温計の音やアラームなどの高い音です。
一方で低い音については普通に聞こえていたりします。
また、長年騒音の多い職場で働いてきた人は、逆に低い音が聞こえにくくなる場合もあります。
このように、聞こえはその人によって違います

全部の音を大きくすればそれなりに聞こえるようにはなります。
でも低い音は普通に聞こえている人が、高い音を聞こうとして全体音量を上げてしまうと、低い音をやかましく感じてしまうことがあるのです。

補聴器のしくみ

では高額な補聴器はどうでしょうか?
補聴器を購入する場合、多くは「聴力検査」が必要になります。

聴力を測定することで、どの音域がどのくらい聞こえていないのかを明らかにします。
そして、補聴器で「足りない部分」だけの音を大きく聞こえるようにするのです。
つまり、高い音が聞こえない人には高い音だけを大きくして、聞こえている低い音は大きくしません。
これによって、もともとの聞こえを取り戻そうとするのです。
集音器が既製品であるとすれば、補聴器はオーダーメイド
補聴器では聴力に合わせた調整をし、またさらにその人にあった音作りをします。
補聴器が高額で、対面販売されることが多いのはこういった事情があるからです。

補聴器は信頼できる業者から

集音器はそのしくみから、通信販売をしていることが多いです。
一見安くてよさそうに思うかもしれませんが、人によっては「やかましいだけ」であったり、物足りなかったりすることがあるかもしれません。
一方の補聴器は、その人にあった細かな調整が必要になります。
一部では通信販売で購入できるケースもあるようですが、聞こえ方や感じ方は人によって差が多く、十分は装用効果が見込めないことが多いです。

補聴器を購入しようと思ったら、信頼できる業者から対面で購入するのがおススメです。
非常に高額な機械(片耳5万円くらいから50万円超えまで)ですので、きちんと試聴ができるところを選ぶといいですね。

いかがでしたか?
集音器を購入した人の中には、「安物買いの銭失いだった」とおっしゃる方も少なくありません。
自分に合った選択ができるといいですね。